【仙台市版】玉石擁壁の特徴と助成金制度の徹底解説

■ はじめに｜「玉石擁壁＝古いから危ない」と言われたことはありませんか？

土地や住宅の売却を検討していると、不動産会社や建築士からこう言われることがあります。

「玉石（たまいし）擁壁があるので、注意が必要ですね」

「補修や再構築をしないと売りにくいですよ」

——玉石擁壁とは、一体なにが問題なのでしょうか？

そして、本当にそれだけで売れにくくなってしまうのでしょうか？

実は、仙台市内には古くからの住宅街に約2,000件以上の玉石擁壁が今なお存在しています。

そして、そうした古い擁壁を対象にした仙台市独自の補助金制度も存在します。

この記事では、

• 玉石擁壁の特徴とリスク

• 補助金制度の具体的な内容と申請方法

• 実際に補助金を使って売却に成功した事例
  
  などを交えながら、わかりやすく解説していきます。

■ 玉石擁壁とは？｜仙台市に数多く残る「古い擁壁」

▽ 見た目の特徴：

• 丸みを帯びた自然石が積まれている

• 表面はモルタルなどで固められている

• 高さ1〜3m前後が多い

▽ 歴史的背景：

玉石擁壁は、昭和初期〜30年代頃にかけて造成された宅地によく見られる構造で、当時は工法が簡単で安価だったため、造成ラッシュの中で大量に採用されました。

仙台市では、特に太白区・青葉区・若林区の斜面地住宅地に多く分布しているといわれています。

▽ 現在の評価：

一方で、現代の建築基準では「構造的に不安定」とされるケースが多く、建築確認が取れない／住宅ローンが通りにくい／危険擁壁と見なされるといった課題を抱えています。

■ 玉石擁壁の「危険サイン」と売却への影響

見た目はしっかりしているようでも、実は劣化が進行しているケースも少なくありません。

以下のようなサインが見られる場合は、安全性の観点から補修や作り替えが必要とされる可能性があります。

▽ よくある危険サイン：

• 擁壁の石と石の間にすき間やズレがある

• モルタルが剥がれて石が露出している

• 擁壁の一部が膨らんでいる・傾いている

• 水抜き穴から水が出ていない・詰まっている

• 擁壁の下部にヒビや亀裂がある

▽ 売却に与える影響：

• 「構造不適合物件」として評価額が下がる

• 建築士による再建築可否調査が必要になる

• 住宅ローンの審査で否認される可能性

• 瑕疵責任や近隣への安全配慮義務が問われる

買主にとっても心理的な不安が大きく、「だったら他を探そう」と敬遠されやすい要因にもなってしまいます。

■ 仙台市の「宅地擁壁の支援制度」とは？

そうした古い擁壁に対応するため、仙台市では「宅地擁壁の支援制度」という制度を設けています。

▽ 助成金制度の概要（2025年度最新情報）：安全対策工事に係る助成金制度（恒久対策）

助成金を活用することで、費用負担を抑えて擁壁を安全に再構築でき、売却時の価値を大きく回復させることが可能です。

■ 補助金を使った補強・再構築の流れと注意点

▽ ステップ①｜現況調査と建築士の診断

まずは、擁壁の構造・劣化状態を確認するために、建築士や専門不動産業者による現地調査を行います。

▽ ステップ②｜補助金の申請準備

申請には、以下のような資料が必要です。

• 現況写真

• 擁壁図面・設計図

• 工事費用の見積書

• 所有者確認書類（登記簿謄本など）

▽ ステップ③｜市役所への申請→審査→交付決定

申請内容が基準に適合していれば、補助金交付が決定され、工事を実施できます。

なお、着工前に交付決定が必要なので、自己判断で先に工事を始めると補助対象外になります。

▽ ステップ④｜工事完了後に実績報告・補助金受領

工事完了後、市への報告と検査を経て、補助金が支給されます。

■ まとめ｜玉石擁壁＝古い＝売れない、ではありません

擁壁の構造や状態をきちんと把握し、行政制度を上手に活用することで、

「売れない」と言われた土地でも スムーズに・適正価格で売却することは十分可能です。

とくに玉石擁壁は、仙台市の補助制度を活かせば、費用負担を抑えて安全性と市場価値を両立できます。

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