擁壁付き住宅が売れにくい3つの理由とその対策

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私が書きました ELIFECREW

■ はじめに|査定で想像以上に減額された経験はありませんか?

「住宅を売ろうと査定を依頼したら、思ったよりも価格が低かった」

その理由を聞くと——

「擁壁があるため安全性に懸念があります」

「がけ条例の対象になっていて建築が制限されます」

と説明された、という声をよく伺います。

仙台市のように丘陵や高低差のある住宅地では、擁壁付き住宅は珍しくありません。
しかし、買主や不動産会社からは「売れにくい」「リスクがある」と判断されがちです。

では、なぜ擁壁付き住宅は売れにくいのか?
そして、どうすれば売却の可能性を広げられるのか?

この記事では、売れにくい3つの理由とその対策を具体的に解説していきます。


■ 売れにくい理由①:法規制・崖条例などの制限

まず大きな要因は、法規制による建築制限です。

仙台市を含む多くの自治体では、「がけ条例」や「宅地造成等規制法」などが定められており、高さ2m以上の擁壁や傾斜30度以上のがけ地に接する場合、建築確認が下りない可能性があります。

さらに、

  • 擁壁が建築基準法の技術基準に適合していない

  • 昔の造成地で確認済証や設計図が残っていない

  • 調査の結果、「再建築不可」と判断される

といったケースでは、住宅ローンが通らず、買主がつきにくくなります。


■ 売れにくい理由②:買主側の心理的不安

擁壁付きの物件は、たとえ法的に問題がなかったとしても、買主の心理的不安が強いことがネックとなります。

  • 「地震や豪雨で崩れないだろうか?」

  • 「もし倒壊したら隣地に迷惑をかけるのでは?」

  • 「補修費が将来かかるのでは?」

こうした不安が少しでも残ると、買主は契約に踏み切れません。

結果として、「買いたい人が少なくなる → 成約まで時間がかかる → 値下げ交渉される」という悪循環が起こりやすくなります。


■ 売れにくい理由③:建築・修繕費用の懸念

最後の理由は、経済的負担の大きさです。

古い玉石擁壁や間知ブロック擁壁を安全な鉄筋コンクリート(RC)擁壁に作り替えるには、数百万円単位の費用がかかります。

高さや延長距離によっては1,000万円を超えるケースもあり、買主にとっては大きなリスクです。

また、既存の擁壁に劣化が見られる場合、住宅ローン審査時に「補修を条件」とされることもあります。
そのため、「買ったはいいけれど補修費用を負担しなければならない」と想像した時点で購入を諦める買主も多いのです。


■ 解決策①:軽度補修による価値回復

ひび割れや排水不良など軽度の劣化であれば、専門業者による補修工事で対応可能です。

  • モルタル補修

  • 水抜き穴の新設・清掃

  • 表面仕上げの再施工

といった比較的コストを抑えた対応で、買主の不安を軽減し、査定評価も回復することが期待できます。

仙台市では、安全対策として補修・新設の際に最大200万円の助成金が利用可能なケースもあるため、活用すればさらに負担を減らせます。


■ 解決策②:構造評価書・建築士チェックによる安心材料の提供

買主の不安を解消するためには、「根拠となる安心材料」を用意することが重要です。

  • 建築士や構造設計士による安全性診断書

  • 行政の確認済み資料

  • 工事業者による補修報告書

これらを揃えることで、買主に「安全性が客観的に証明されている物件」という安心感を与えられます。

特にローン利用予定の買主にとっては、金融機関への提出資料としても大きな意味を持ちます。


■ 解決策③:現況販売・買取保証などの選択肢提示

どうしても補修や再構築が難しい場合は、販売方法そのものを工夫するのも有効です。

  • 「現況販売」:補修を買主に任せ、その分価格を調整する

  • 「買取保証」:専門不動産会社に直接売却することでスピード優先

特に早期売却を希望する方や、資金を補修に回せない方には、買取保証付きの売却プランが適しています。

「値段は多少下がっても、売れ残るリスクを回避したい」という売主にとっては有効な選択肢です。


■ まとめ|プロの手を借りることで打開できる

擁壁付き住宅が売れにくい理由は、

  1. 法規制・条例の制限

  2. 買主の心理的不安

  3. 修繕費用の負担

この3つに集約されます。

しかし、これらは決して解決不可能な問題ではありません。

  • 軽度補修や補助金制度の活用

  • 専門家による評価書の用意

  • 現況販売や買取保証といった販売手法

を組み合わせることで、売却の可能性は大きく広がります。

擁壁は「リスク」ではなく「きちんと対策すれば武器になる」存在です。

仙台市で擁壁付き住宅の売却を検討されている方は、まずは専門業者に相談し、最適な方法を一緒に探すことをおすすめします。


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